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【きらり★vol.1】最近コンビニの看板、見かけましたか? ~ 名古屋樹脂工業 常務取締役 伊藤 聡志さん

 「あたりまえでしょ!」と思われるかもしれませんが、その「あたりまえの看板」、実は名古屋樹脂工業さんが作られたものかもしれませんよ。
 今回は、愛知県にあります名古屋樹脂工業 常務の伊藤聡志さんにお話を伺いました。

このマガジンでは、中部地域で奮闘されている企業を「きらり企業」と題してご紹介します。オンリーワンの技術や、社内でのオドロキな取組みなど、力強く ☆彡きらり☆彡 輝いているみなさんに是非ご注目ください!!


1.御社のお仕事、教えてください。

――― どんなおしごと、されていますか。

 弊社は1958 年創業しました。プラスチックの真空・圧空成形や成形加工の技術を生かした製品を作っています。一般的な大量生産に適した射出成型(インクジェクション成形)ではなく、少量・多品種の成形に適したシート成形を中心に事業を拡大してきた歴史があります。

★ 名古屋樹脂工業 会社紹介動画(YouTube公式チャンネル)


 主力製品はおもに2つありまして、「樹脂サイン ・ブランドサイン(いわゆる樹脂製の看板)」と「半導体搬送用樹脂 レール」です。
 樹脂製の看板は、みなさんがよく見かけるコンビニや自動車販売店などのブランドサインを多く手掛けています。
 半導体搬送用樹脂レールは、主に海外の半導体製造装置メーカーに納入してます。特に成形が難しいカーブ部分は高いシェアを占めています。

どちらも、生活やものづくりに欠かせない製品です

 また、プラスチック成形の技術を活かしてさまざまな製品も開発しています。なかでも「プラスチックの女王」と言われるアクリル樹脂の製品に注目してほしいですね。
 例えば、コロナ禍で開発したパーテーション「Z screen」は、2021年にGOOD DESIGN AWARDの「グッドデザイン賞」を受賞しました。
 さらに、2019年に初のBtoC事業としてスタートした「NJ STYLE」。和紙柄のアクリルを、ひとつひとつ手曲げしてつくる「うつ和」は、デザイン性の高さとアクリルの扱いやすさを両立しているのが自慢です。

 「NJ STYLE」は、海外で需要があるアクリルの特性を生かした高級インテリアの市場が、国内ではほとんど育っていないことに着目。
 「うつ和」は、2024年にパリで行われたメゾン・エ・オブジェにも出展して、好評を得ている。
 さらに、著名アーティストが使用する透明楽器のパーツや、有名アニメに登場するロボットの実物大模型樹脂パーツも手掛けるなど、まさに「プラスチック加工の何でも屋」と言っても過言ではない。

2.いつのまにか古株になってしまいました(笑)

――― 当局とのお付き合いの歴史を教えてください。

 実は主力の製品に関わるところではなかったんですよ。先ほどお話しした「NJ STYLE」のお仕事の中で、うちの社長が(局の)職員の方と知り合ったことがきっかけでしたね。その後、デザイン経営のトークセッションに呼んでもらったり、他の職員の方をご紹介いただいたりと、徐々につながりが増えていきました。
 私も東北の展示会に出展した際に、職員の方から企業と局の若手が集まる定期的な交流会のお誘いを受けて、初回から参加することになりました。
 ただ、局の方々はどんどん入れ替わって若いままなのに、自分や一部の企業の方はそのままずっと参加していたので…… いつのまにか若手ではなく古株になってしまいましたね(笑)
 経産局を身近に感じられますし、これからも情報交換できる貴重な場として参加したいと思っています。
 

3.「はばたく中小企業・小規模事業者 300 社」の選出、おめでとうこざいます!

―――「事業再構築・生産性向上分野」での受賞でしたね。

 ありがとうございます!霞ヶ関で行われた表彰式にご招待されたのですが、錚々たる企業がそろい踏みの中、身の引き締まる思いで参加させてもらいました。この賞に見合った会社になれるように、これからもがんばらなくては、と改めて受賞の重みを感じています。受賞した企業同士で交流ができているのも励みになっています。

工場入口にかざっていただいている賞状。おめでとうございます


 ここ最近の取り組みとしては、新たに自動車部品の市場に参入したいと考えています。そのために、経済産業省の事業再構築補助金を活用して、国内では数少ない「ツインシート成形機」を導入しました。文字通り2枚のシートの同時成形が可能で、より大型かつ複雑な加工ができるようになりました。また、真空成形のデメリットだった剛性の弱さも克服できます。
 この強みと少量・多品種の受注に対応できる魅力を武器に、ベンチャーEVのパーツ需要を狙っていきたいですね。

大きな成形機の導入で、新たな市場にチャレンジ


4.社員みんなでつくる福利厚生とは?

――― あたらしい福利厚生の計画をされていると伺いました。

 実は先日、敷地内に新工場を建設したのですが、その2階をまるごと社員のための食堂 兼 ラボスペースにする予定なんです。見取り図を準備して、具体的にどんなことがやりたいか、社員に直接書き込んでもらいましたね。(笑) 
 企業規模を考えると、福利厚生にはかなり力を入れている方かなと。社員のみんなが家族や友達に「こんないい会社で働いているんだよ」って自慢できるような、そんな会社にできるといいなと思っています。

ビフォー。新工場の2階にスペースはできあがっています。
アフター(予定)。社員みんなのやりたいことがぎっしり。


5.これからも、きらり、かがやくために

――― 御社にとっての かがやく、’きらり’はなんでしょうか。

 わが社にとっての’きらり’は、これから生み出していくものと思っています。これまでお話しした、新たな事業への挑戦や福利厚生の充実に加えて、新しい事業所の計画も進めています。
 現社長は、人をワクワクさせるオンリーワン企業になるというビジョンと、「 失敗を恐れずまずやってみる 」 というスローガンを掲げています。
 私も他にはない、「きらりかがやく、毎日来たいと思える会社」を目指したいですね。

新たな事業所の構想図。ここから生みだされる‘きらり‘を楽しみにしています。
伊藤常務、ありがとうございました。


~ ★ ★ 企 業 情 報 ★ ★ ~

★ 真空成形・圧空成形.com(お仕事のご相談はコチラへ)

★ NJ STYLE (「うつ和」、「Z screen」の製品情報など)


★【1万再生目前】真空成形・圧空成形の名古屋樹脂工業
(YouTube公式チャンネル)


~~~ 会社情報 ~~~
会社名:名古屋樹脂工業株式会社
代 表:代表取締役社長 伊藤 誠一
所在地:愛知県名古屋市西区上堀越町1丁目50番地
企業HP:http://www.nagoyajushi.co.jp/

== 編集後記 ==
 インタビュー後に工場見学もさせていただきました。著名アーティストが使用したピアノの足の部分を、実際に削っている様子は圧巻でしたね。参考に作られたという、有名ロボットのプラモデルもさすがの出来栄えでした。
 みなさんの夢が詰まったラボ スペースが完成されたら、またお話伺わせてください。これからも応援しています!

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