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【想い:その2】価格交渉はこわくない!その小さな一歩が取引の適正化を加速させます!!

 突然ですが、みなさん!海外旅行はお好きですか? 言語も文化も違う、まさに未知の世界が広がっている。不安もあるかもしれませんが、わくわくしませんか!?
 さて今回は、最近オーストラリア(ケアンズ)を訪れて、現地の働き方に驚愕した取引適正化推進室の酒井 愛実さんが語ります。

現地の人は7~8時間以上は働かないらしく、お店も開いている時間が限られていたそう。

 このマガジンでは、当局職員が日常のできごとも交えながら、担当する施策「推し策」(オシサク)へのアツい想いを語ります。
 国家公務員と聞くと縁遠い存在と思われるかもしれませんが、少しでも職員を身近に感じてもらえればうれしいです。


1.あなたの会社、「価格交渉」できていますか?

―――「取引適正化」や「価格交渉」という言葉をよく耳にするが、イマイチわからない・・・

 最近、話題になっている言葉です。なぜかというと、どちらも「賃上げ」をするために必要不可欠だからです。物価は上がる一方なのに、給料はなかなか上がらない・・・。そんな現状、実は「価格交渉」がカギを握っています!

  日々働いているみなさんとしては、やっぱりお給料は上がってほしいですよね。一方で人手不足な世の中ですので、企業側も労務費(社員に支払うお給料)を上げないと、働いてくれる人がなかなか見つからないのが現状だったりします。
 ちなみに私が旅行で訪れたオーストラリアの平均年収は、日本のおよそ2倍と知って驚きました!(オーストラリア:64,655米ドル、日本:32,409米ドル  出所:OECD

 労働者側も企業側もやりたい「賃上げ」。でも賃上げするために必要な原資(お金)を確保するためには「価格交渉」をして利益を増やす必要があります。
 こう話すと単純なことではあるのですが、「発注者に価格交渉する勇気が出ない・・」、「価格交渉を切り出して、ほかの会社に仕事を取られて(転注)しまったら痛手・・」、そんな悩みを多くお聞きします。そこで「価格交渉の必要性」をきちんと知ってもらうことで企業も働く人も必要な「賃上げ」に一歩踏み出してもらえるよう、私たち中部経済産業局は応援しています!

2.コストが上がった分は誰が負担すべき?

―――とは言っても、結局受注者が負担することが多いんじゃないんですか?

 大事なことなので太字にしますね(笑)。労務費等のコスト上昇は、サプライチェーン全体で適切に分担することが重要なのです。

 
受注者ばかりに上がったコストを押し付けることが、本当に適正な取引といえるのでしょうか?この状況が続くと、受注者は経営が困難になって、最悪つぶれちゃいます。発注者のみなさんは、「つぶれたらほかの会社にお願いすればいいや」と思っているかもしれませんが、そんな考えの発注者ばかりになると業界全体でお仕事が回らなくなってしまい、共倒れしてしまいます。
 だからこそ、受注者が負担しがちなコスト上昇分をサプライチェーン全体で分担していくためにも「価格交渉の必要性」を業界全体で認識してほしいです。
 
 とても大事なことなので、もう1度言います。上がった分のコストはサプライチェーン全体で適正に分担しましょう!

サプライチェーン全体で適正に分担しましょう

3.受注者から声を上げよう!価格交渉はこわくない!!

―――価格交渉の必要性は分かったのですが、どうやって発注者に声を上げれば、、、
 

経済産業省が実施している2024年3月の価格交渉促進月間のフォローアップ調査結果
(フォローアップ調査の詳細はコチラから)

 ここで、価格交渉の実態をご紹介します。経済産業省が実施した調査によると、中小企業の約6割が価格交渉をしているんです。意外と思われるかもしれませんが、半分以上の皆さんが価格交渉をしているんですよ!

 「なにから始めればいいかわからない・・」という方には、経済産業省の「価格転嫁サポート窓口」で、価格交渉の基礎的な知識や原価計算の習得支援を受けることもできます。価格交渉のことで気になることがあれば、まずはサポート窓口に電話してみてください。その小さな一歩が、価格転嫁の次のステージへつながる大きな一歩です。

 「コスト上昇分はどうしましょうか?」と声をかけてくれる優しい発注者も世の中にはお見えですが、価格転嫁の必要性があるならば、受注者からきちんと主張しないと価格交渉・価格転嫁は進みません。
 また、価格交渉をしても必ずしも価格転嫁がうまくいくとは限りません。そのときはなぜ転嫁できなかったのか知ることも大切です。コストが上がった明確な根拠を用い、自社の生産計画をしっかり見定めて、価格交渉をしてみましょう。

 働く皆さんにとって、きっと毎日の生活が今まで以上に明るく見えるようになり、業界全体のサプライチェーン適正化に貢献することにもなります!

4.推し策へのアツい想い、語らせてください

―――酒井さんにとって、価格交渉・価格転嫁とはなんでしょうか

 偉そうな言い方かもしれませんが、「業界全体のことを考えて共存共栄を目指すもの」かなと。コストが上がる理由は原材料費の高騰だったり、人手不足だったりとさまざまです。どの業界も苦しいですが、それを1つの企業で抱え込んでしまうと、いつかは立ち行かなくなる。いつか、ではなく今みんなで痛み分けをしないと将来的に自分が困る、業界全体が困るということを認識してほしいです。
 「取引先がやってくれるから、自分は何か言われるまで何も動かなくていいや」ではなく、「転嫁してくれませんか?」「転嫁しましょうか?」と互いに声をかけあえる取引が理想だと思います。

 価格交渉することの大きな不安は、やはり顧客を失うかもしれないということです。この不安をなくして、業界みんなでがんばっていこうという意識を大切にしてほしいです。
 そうすることで、価格交渉しても他社に負けない企業へ成長し、互いに切磋琢磨して消費者に選んでもらえる業界になってもらいたい。そして国内だけでなく、海外でも戦える強い競争力を育ててほしいです!

5.もっと知りたい方へ

★日本政府公式ウェブサイトで安心!適正取引支援サイト
(経済産業省ウェブサイト)

★まずは相談してみよう。「価格転嫁サポート窓口」
(経済産業省ウェブサイト)

「価格転嫁サポート窓口」(画像クリックでウェブサイトへ)

★当局ウェブサイトにて最新情報を確認してみましょう。
(当局ウェブサイト)

下請取引適正化に関する施策紹介ページ(画像クリックでwebサイトへ)

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